寿命と健康食品
昨年、2021年09月15日の時点での厚労省の資料では、100歳以上の高齢者は前年同時期と比べて8%増えて8万6510人となり、51年連続で過去最多を更新することが分かったそうです。男性は1万60人で、初めて1万人を超えましたが、100歳以上の女性が約9割を占め、7万6450人となるそうです。女性はほんとに長生きですね。
この人たちが生まれた100年前の大正11年の頃は、欧米諸国がやっと平均寿命50歳台を上回った時代で、日本人の寿命は何とわずか30歳台でした。昭和22年に寿命はやっと50歳台に伸び、昭和35年に女性の寿命が70歳に、15年も遅れて昭和50年にやっと男性が平均寿命70歳に達しました。
戦前の日本は結核、肺炎、気管支炎などが猛威をふるい、乳幼児や20歳未満の若者の多くが感染症で命を失い平均寿命を引き下げていました。当時、国民の食事はご飯と漬け物や味噌汁という家庭がほとんどで、動物性タンパク質はわずかに塩漬けの魚があった程度。誰しも免疫力が低く抗生物質もなかった当時は、結核などの感染症は即、死を意味しました。
ここまで寿命が延びたのは、何と言っても抗生物質の開発など医学の進歩に加え、動物性食品の普及による栄養状態の改善が主な理由です。100年前に生まれた人たちは、生まれた後のまともな食糧もない時代を生き抜き、気付かず当たり前のように手に入っている、様々な薬を含む高度な医療レベルに支えられながら100年間、生命を維持し続けてきたことになります。これは、ヨーグルトのおかげでも、酵素ドリンクのおかげでもありません。
しかし、欧米化した食事による飽食や生活環境を原因とする生活習慣病に加え、コロナに見られるような新たな感染症との闘いの時代に入った今、私たちに最も必要なものを考えたとき、それは必要の無い栄養素や健康ドリンクでもなければ、迅速なワクチン供給体制でもありません。150万年前から私たちに備わっている免疫力を武器として備え、それらを最大能力で働かせることこそ、理に叶った対処法ではないでしょうか。
世の中のほとんどの人は、残念ながら免疫力をダイレクトに上げる方法を知らず、的外れな様々な手段を教え込まれ、信じ込んで実践しています。イスラム教徒をキリスト教徒に、ソフトバンクをドコモに、自民党支持を立憲民主党支持に、日本生命を住友生命に、など、信じているものを変えてもらう為には、広い知識と情熱など大変な苦労を要します。お金を伴えばなおさらです。しかし考えようによっては、その人に最初に伝えた人よりも、皆さんの持っている知識や言っている事が正しいと思ってもらえれば、つまり皆さんが勧める乳酸菌生産物質の方が、よりその方を健康に導けると判断されれば、意外と『待ってました!』と受け入れてもらえることが多いものです。その場面でも、mayとmustの考え方が役に立ちます。