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醤油と丸大豆

お醤油の中に「丸大豆使用」とか「丸大豆醤油」と書かれているものがありますが、両者の違いをご存知でしょうか。
大豆に丸とか四角とかあるのか?・・・とか思われるかもしれませんが、実は丸大豆というのは、品種名でも丸い大豆の意味でもありません。
『大豆を丸ごと使ってます』という意味なんです。
なぜ、丸ごと大豆を使っていると、メーカーは強調したいのでしょうか。

丸大豆

大豆はお醤油造りには欠かせない原料ですが、ほとんどの醤油には大豆から油を抜いた『脱脂加工大豆』が使われています。
脱脂加工大豆を使うと醤油造りに使う菌が嫌いな脂肪分が少ないため、短期間での発酵が可能で、品質が均一化できてコストが安くできます。
問題は、大豆から油を抜くという工程で、大豆をヘキサンのような有機溶剤で処理して脂分を溶かし出す作業が行われるため、これらの溶剤の成分が大豆に残るのではないかと、嫌厭されるのです。

一方、丸大豆はただ乾燥しただけの大豆です。丸大豆を使うと香りが強くなりまろやかな味になりますが、時間と手間がかかるため、値段は高くなります。
原料表示はどちらも「大豆」ですが、脱脂加工大豆と差別化して高級感を出すために、また有機溶剤などを使用していないので、安全性をアピールする意味で「丸大豆」という表現を使っているのです。
丸大豆使用の方が特に良い豆というわけでも、美味しいわけでもありませんし、醤油の中に残留している有機溶剤の有無は分かりませんので、好みの差かと思います。 無農薬の丸大豆使用と書かれていれば、いろいろ手間がかかっていますし、安全性は優ると言えます。

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